味も見た目もおいしい野菜!三方原台地でオーガニックで育てる加藤農園
今回訪問した浜松市北区の三方原台地にある加藤農園は、化学肥料や化学農薬を使わない有機栽培で、年間40品目100種類の多種多様な野菜を育てています。
野菜は、個人宅などへ季節の野菜をつめあわせた野菜セットとして販売しています。飲食店や保育園などのオーガニック給食の材料としても食材を提供しています。
味も見た目もおいしい野菜たち
「40品目100種類の野菜」と聞いて、ピンとこない人もいると思いますが、たとえばダイコンだけでも4、5種類も栽培しています。
赤色の「京ざくら大根」やピンク色の「紅心大根」などの普段目にすることが少ない種類のダイコンもあります。目で見ても楽しく、味もおいしい野菜を作っています。
代表 加藤寿成さんの「野菜の味に自信がある」という言葉通り、どれも口に入れたときに複雑にさまざま味が絡み合い、えぐみが少なく、でもアクセントとして苦味や辛味もあるとても滋味あふれる野菜です。
特にルッコラは、モリモリ食べられる味ですが、後ろ髪を引かれるような忘れられない味!
有機農業をはじめた理由は「起業・健康・農業」
化学農薬や化学肥料を使わず野菜を作り、農業を営むことは実はとても難しいことなんです。
特に浜松市などの温暖な気候は野菜にとって良い点もたくさんありますが、難しい点も山ほどあります。
加藤さんは、なぜ有機農業を選んだのでしょうか。
会社員だった加藤さんは、自分で何かをはじめたいと「起業」を考えるようになります。
現在の配偶者が当時は健康志向の会社で勤務していたこともあり、「健康」がキーワードになると考えるようになりました。
さらに、両親が北区三ヶ日町でミカン栽培をしており「農業」が身近だったこともあり、これらが重なって
「微生物が多い土壌でおいしくて栄養価が高い健康な野菜を作りたい!」
と有機無農薬栽培で独立することを決め、平成24年に加藤農園をスタートしました。
おいしい野菜が育つ三方原台地
加藤農園がある三方原台地は、元々はごろごろした石だらけの土地。先人たちが戦後に開拓して耕しましたが、決して恵まれた土壌ではありません。
やせていて酸性よりの土ですが、ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモなどの根菜類がとてもおいしくできるそうです。三方原台地がジャガイモとダイコンの産地なのは、土に合っていて理にかなっているのですね!
三方原台地は、おいしい野菜作りに適した環境です。
・浜松市は日照時間が全国でトップクラスで野菜が立派に大きく育つ
・遠州のからっ風にさらされた野菜は甘みを増す
・やせているけれど土作りがしやすい赤土で根菜類がおいしく育つ
加藤農園が大切にしている「微生物が豊かな土作り」
加藤農園は、おいしい野菜作りのためのさまざまな工夫を重ねて土作りをします。
静岡県内産も含めた魚かすや菜種かすなど色々な有機物を微生物のえさとしてしっかり入れています。
「微生物が豊かな土を作ること」が最大のこだわりで、おいしい野菜を作る秘訣だと言います。
化学農薬を使わないので、暑い浜松では特に夏場の虫など苦労が多いですが、防虫ネットを使ったり、どうしてもできない場合は少し時期をずらして栽培したり。
ナスは台木と接木を別のものにするなどのさまざまな工夫を重ねて、しっかりした野菜ができるよう努めています。
地域のおいしい野菜をおいしく食べられる幸せ
加藤さんは、おいしくて健康な野菜を作っていますが、味のわかる人にだけ食べてほしいという気持ちはまったくなく、もっともっと多くの人に楽しんで食べてもらいたいと言います。
今後は、家族みんなでワイワイと楽しめるようなドレッシングなどの加工品なども作っていきたいと考えています。
加藤農園の栽培方法や目指しているものももちろん素晴らしいのですが、とにかく頂いた野菜がおいしかったです!
地域のおいしい野菜をおいしく食べられることはとても幸せなことだと改めて感じました。
◆農園プロフィール
農園名:加藤農園
住所:431-2102静岡県浜松市北区都田町8611
電話番号:053-428-5295