Yui Shizuoka

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2022.02.22
農家さん

新鮮で甘みと辛みのバランスが絶妙な「楽農の集いまっすぐ」のエシャレット

静岡県浜松市発祥の野菜「エシャレット」

浜松市の飲食店などで、お酒のお供に食べたことがある人も多いのではないでしょうか。

でも、「おつまみなので家庭ではあまり食べない」「辛みがあるから子どもは食べられないかな」といった声も。

実はこれ誤解です!

浜松市南区のエシャロット生産者「楽農の集いまっすぐ」代表の伊藤崇さんにおいしいエシャロットの食べ方について教えてもらいました。
 

エシャレット発祥の地、静岡県浜松市




エシャレットは、らっきょうを白くやわらかくなるように育て若採りしたもので、生のまま食べられます。

昭和20〜30年頃に栽培が始まり、静岡県浜松市がエシャレット発祥の地とされています。

浜松市の南東部には砂地が広がっており、水はけがよい土を好むエシャレットの栽培にぴったりです。
 

子どももおいしいエシャレットの食べ方




5人のお子さんを子育て中でもある伊藤さんは、「子どもにもエシャレットを食べてほしい」と話します。

それは、大人になったときに「子どもの頃はエシャロットは辛いと思ったけれど、大人になったらこれがおいしい!」という食体験をしてもらいたいからだそうです。

とはいえ、エシャレットは焼くと辛みがなく、ホクホクした食感になり子どもでも食べられると言います。伊藤さんの4歳のお子さんも、エシャレットの天ぷらが大好きだそうです。

また、お味噌汁や焼きそばに入れても食べやすいです。 「生のままだと辛いけれど火を入れたら甘くなる」という経験も、子どもにとってはおもしろい発見になりそうです。
 

大人が喜ぶエシャレットのおつまみレシピ


もちろん、エシャレットはおつまみにもぴったり。大人向けのエシャレットレシピも教えてもらいました。

エシャレットに合うディップは「味噌×マヨネーズ」「マヨネーズ×醤油×うまみ調味料」などです。白い部分を刻んで、めんつゆとかつおぶしと和えるおつまみで晩酌が進みます。
 

エシャレットの緑の葉は食べられる?




エシャレットの緑の葉の部分は食べていいのか迷いませんか?

浜松市出身ではない私はこれまで居酒屋でしかエシャロットに出会ったことがなかったので、葉は食べてはいけないと思い込んでいました。

しかし、伊藤さんは「新鮮なエシャレットの葉はおいしく食べられます」と言います。

エシャレットの葉の食感は「細ネギ以上、ニラ以下」だと理解して料理を作るとわかりやすいです。

例えば、キムチ鍋に入れると煮込み過ぎてしまってもクタっとならずにシャキシャキ感が残っておいしい!炒めてもお味噌汁にいれても合います。

ネギ味噌ならぬ「エシャ味噌」として、エシャレットを丸ごと刻んで味噌と混ぜてもおいしいそうです。
 

エシャレットに魅せられて農業へ




伊藤さんが農業を始めた理由についても聞きました。

飲食店で働いていた伊藤さんは、さまざまな野菜を取り扱う中でエシャレットに魅せられ、2年間イチジク、サトイモ、ミカン農家で働いたあと、師匠からエシャレット栽培を学び、自分で農業を始めました。

「飲食店時代に色々な野菜を触った上でエシャ。変わっているし、僕の師匠が作るエシャレットがとにかくおいしかったから。もっと多くの人にエシャのおいしさを知ってもらいたいです。」
 

新鮮でおいしいエシャレットを届けたい




エシャレットは収穫してすぐは辛みが少なく甘みもあり爽やかな味わいが感じられますが、時間が経過し水分量が減っていくと辛みを強く感じるようになります。

通常エシャレットは、収穫してからスーパーマーケットなどに並ぶまでには5〜6日かかります

伊藤さんは、エシャレットは鮮度と味が影響していると考え、畑で収穫してから24時間以内に個人のお客さん、飲食店、市場の業者などに出荷をしています。

新鮮でおいしく、甘みと辛みのバランスが絶妙なエシャレットをもっと多くの人に食べてもらいたいと話します。
 

おいしいエシャレットを育てるためにしている工夫




新鮮なエシャレットを届けることに加え、おいしいエシャレットを育てるために畑でもさまざまな工夫を重ねています

三ヶ日の完熟牛ふんたい肥を入れ豊かな土を作り
サブソイラーという機械でふかふかの土にして水はけをよくします。
地域のライスセンターで不要になったもみがらを畑に入れて活用し、隙間を作って水はけをよくする工夫も。

また、緑肥という草を育て、畑にすきこんでいい土を作ります
風除けや季節に合わせた害虫対策になります。

エシャレットを栽培しない時期は、畑を休ませて病気を防いでいます

緑肥も畑を休ませる方法も生産者の収入には直結しませんが、いい作物づくり、土づくり、環境づくりのために取り組んでいます

私たちの見えないところでも細かい工夫を重ね、おいしく、地域の環境に負担を極力かけずにエシャレットを作っているのですね。
 

これからも「まっすぐ」



 

「楽農の集いまっすぐ」という農園名は一度聞いたら忘れられません。どのような想いが込められているのでしょうか。

伊藤さんは、「楽農の集い」は従業員をはじめ農業を楽しめる人が集うところでありたいという思いで、
「まっすぐ」はぶれずにクソ真面目にやっていきたいという思いで名付けたそうです。

エシャレット栽培は、収穫作業や皮をむいてきれいにする作業など機械化難しく、手間も時間もかかるため、若い人や後を継ぐ人があまりいないそうです。

このような状況においても、伊藤さんはこれからも楽しく!まっすぐ!エシャレットの魅力を多くの人に伝えていくでしょう。

◆農園プロフィール
農園名:楽農の集いまっすぐ
住所:430-0836静岡県浜松市南区福島町162
電話番号:090-7864-4332

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